このたび、立教大学は立教大学出版会を発足させることとなりました。
出版事業が多くの困難をかかえるといわれる現在、本学の擁する知的資源を活かし、ささやかながらこれに一石投じうれば、本学の果たすべき使命のひとつを成就しえたと考える次第であります。
21世紀の大学はキャンパスのうちに自閉した存在ではありえません。本学においても、知の営みを学外へと大きく広げ、社会と真摯に対話すべく、これまでさまざまな形の試みを行なってきたが、本出版会による学術書の出版は、本学が社会に向けて発信する重要な機会となると思われます。
立教大学は、キリスト教に基づくリベラル・アーツの教育を建学の精神として掲げ、その長い歴史のなかで、大学が社会のなかに歩みでて何をなしうるかつねに自己に向けて問うてきました。このたびの本出版会による出版事業は、そうした本学の伝統がもたらした自然な結実であります。本学における研究活動の成果が、本出版会を通じて世に送り出されることにより、日本のみならず、世界の学問研究の発展に、そして人類社会の深化にいささかなりとも寄与することができるのではないかと希望します。
立教大学出版会は、このような希望を支えとして立教大学の研究活動の成果を今後もながく世に問うてゆく所存であります。
2003年3月 立教大学