本学は、これまで培ってきた社会からの信頼を裏切ることなく、高等教育機関として社会への説明責任を果たし、社会連携活動を円滑に行なうために、利益相反マネジメントに全学的に取り組んでいます。
施行 2010年4月1日
学校法人立教学院立教大学(以下,「本学」という。)における社会連携活動において,本学の教職員等が,いわゆる「利益相反」の状況に陥ることを未然に防ぎ,利益相反を懸念することなく,活動に取り組み,成果を上げることを目的として,ここに学校法人立教学院立教大学利益相反マネジメントポリシー(以下,「ポリシー」という。)を策定する。
本学は,その創立以来今日に至るまで,キリスト教に基づく全人格的教育を行う高等教育機関として,世界の平和と社会の持続的発展を目的に,知性・感性・身体のバランスの取れた人材の育成とその人材の輩出のために研究教育活動に力を注いできた。
本学が理念として掲げる「Pro deo et patria」の直訳は,「神と国のために」であるが,それは「普遍的なる真理を探究し,この世界,社会,隣人のために働くこと」とも捉えることができる。この理念が示すように,本学は,研究教育活動を通じて,以前から社会への貢献,社会との接点を強く意識してきた大学である。
その姿勢は,多様な社会との連携を積極的に図りながら,本学の研究教育活動が内包又は,創出する「大学の知と機会」を社会に還元(Knowledge Transfer)する活動を推進していることにもあらわれている。 本学では,それらの社会貢献及び本学の研究教育活動の充実を創造する多様な社会との連携活動を「社会連携活動」と捉え,建学の理念,保有する知的資源,社会的要請等を踏まえ,積極的に取り組んでいる。
「社会連携活動」を展開していく中で,本学の教職員等が,学外機関との関係によって有する利益や責任と,教職員等が本来,大学において果たすべき責任とが,混在し,不透明な状況にあるように見られる可能性がある。これが,いわゆる「利益相反」と言われる問題である。本学は,教職員等が引き続き安心して社会連携活動に取り組み,同時に大学として社会への説明責任も果たし,本学の社会的信頼を維持するため,利益相反マネジメントに関する体制を構築する。
ポリシーは,本学における社会連携活動を積極的に推進する際に,本学の教職員等が,利益相反と言われる状況に陥ることを未然に防ぎ,利益相反を懸念することなく,活動に取り組み,成果を上げることを目的とする。
(1)本学は,社会連携活動を推進し,成果の創出を目指す。
(2)本学の利益相反マネジメントは,教職員等の社会連携活動を制約するものではなく,教職員等の自主的な活動を最大限尊重し,教職員等を未然にトラブルから保護するものである。
(3)社会連携活動の過程で付随的に生じ得る利益相反を未然に防止するため,また,生じた利益相反について影響を最小限にとどめるために,利益相反マネジメント体制を整備する。
(4)適切なマネジメントと情報開示により,社会連携活動の透明性を確保し,同時に本学に対する社会からの信頼を維持する。
ポリシーにおける利益相反とは,「教職員等が社会連携活動によって得る個人的利益や社会的責任が本学における教育研究上の責任と相反している状態」をいう。
本学の社会連携活動に携わる次の者を利益相反マネジメントの対象とする。
(1)本学の勤務員
(2)本学から一定の立場を付与され,社会連携活動に携わる者
上記対象者は,社会連携活動を行うにあたり,利益相反行為を未然に防ぐ最大限の配慮及び客観的に必要とされる合理的な努力をしなければならない。また,万が一利益相反が生じた場合には,その影響が最小限にとどまるよう,本学から要請される事項に最大限協力しなければならない。
利益相反を適切にマネジメントし,健全な社会連携活動を推進し,研究教育活動の活性化をはかるために,利益相反マネジメント委員会を設置する。利益相反マネジメント委員会は,次に掲げる事項を審議・実施する。
(1)ポリシー,規程等に関すること。
(2)利益相反に係る相談,助言,モニタリング,審査,審議,勧告等に関すること。
(3)利益相反事例が生じた場合の調査,改善指導及び是正勧告・命令に関すること。
(4)利益相反マネジメントに係る広報及び啓発に関すること。
(5)その他利益相反に関すること。