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立教大学出版会

 
 
ルワンダ・ジェノサイド 生存者の証言
憎しみから赦しと和解へ
 

ジョセフ・セバレンジ+ラウラ・アン・ムラネ 著
米川 正子[訳]

ISBN 978-4-901988-28-5
A5判上製
2015年3月刊行
定価 4,000円+税

 
80万人もが犠牲者になったといわれる《ルワンダ・ジェノサイド》。父母・兄弟姉妹をはじめ多くの親族を失った、この信じられない惨劇を経験し、何度も亡命を余儀なくされた当事者が語る、ジェノサイド、そしてルワンダ社会・政府の真実。想像を絶する苦難と魂の遍歴のなかから掴んだ、社会の根底にある憎しみを真の平和へ転換するための途――「赦し」と「和解」の必要性を説く迫真の書!
 
【紹介】日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所『アフリカレポート』(2017年 No.55)で紹介されました。
 
 
【イベント】『ライブラリー・トーク』(2015年9月24日)国連大学ライブラリーにてトーク・イベントが開催されました。
 
 
【書評】『朝日新聞』(2015年6月7日朝刊)に書評が掲載されました(評者:保坂正康氏 ノンフィクション作家)。
 
 
【書評】『図書新聞』(2015年8月29日)に書評が掲載されました(評者:鍋島孝子氏 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授)。
 
     
 

自著を語る

 
米川 正子
   

 本書は、著者のジョセフ・セバレンジ氏の自伝GOD SLEEPS IN RWANDA: A Journey of Transformationの訳本である。1994年のジェノサイド後、ルワンダの議会議長として活躍した著者は、現在、難民としてアメリカに住んでいる。実は、彼が難民生活を送るのは人生で3回目であり、歴史をたどると、1959年以降、何十万、何百万人のルワンダ人が亡命し、その傾向は現在も続く。既にジェノサイドは終わり、現在ルワンダは経済成長を果たし「開発モデル国」と呼ばれているにもかかわらず、なぜ著者や他の難民は母国に帰還できないのだろうか。
 映画『ホテル・ルワンダ』(2004)の公開の影響もあり、ルワンダのジェノサイドに関心を持つ日本人が増えた。同テーマに関する数多くの書籍も出版されている。しかし、原著は、著者自身の経験を基に、ルワンダ政府の内部で実際に起きたこと、例えば副大統領(現大統領)と議会議長のセバレンジ氏間、そして与党と野党間の葛藤を詳細に描写した最初の書籍である。多数派フツと少数派ツチの民族対立を超えた、ルワンダの政治や社会を理解できるであろう。
 本書は、赦しと和解の重要性を訴えている。少数派のツチであるセバレンジ氏は、反ツチの暴力が続く環境で生まれたが、両親からの教えを忠実に守ってきた。それは、相手がフツであろうと誰であろうと、決して他者を差別してはならないことだ。その最愛の両親や兄弟のほとんどがジェノサイド中に殺害され、セバレンジ氏は精神的に病んだ。しかし、憎しみの悪循環を絶つために、加害者を赦すことにした。赦しと和解はルワンダだけの問題ではなく、被害者・加害者である日本が、特に日本戦後70周年の本年に、近隣国の関係も含めて向き合わなくてはならないイシューである。
 訳者は、立教大学で「国際協力人材」育成プログラムを担当しており、将来、国際協力に関わりたい学生に、本書を通じて以下の問いを考えてもらいたい。ジェノサイドや憎しみをどのように無くすことができるのか?真の和解とは何か?紛争後の国々で、必要とするものは何か?なぜ、セバレンジ氏や他の有能な難民を母国に帰還させて、彼らの能力を国の発展に十分に活用できないのか?難民が長年国外にいることは、人材の無駄にはならないのか?など。国際協力の名の下で、外国人である日本人が短期間現地に派遣されるより、現地の人が母国で貢献できるような持続的な環境づくりに励んでもらいたいと思う。本書がこれらを考えるきっかけとなれれば幸いである。
 最後に、本書の出版という貴重な機会を与えて下さった、立教大学出版会と株式会社有斐閣にお礼を申し上げたい。

 

 


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