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立教大学出版会

 

 

社会福祉における資源配分の研究

坂田 周一[著]

ISBN-10: 4-901988-00-X
ISBN-13: 978-4-901988-00-1
A5判上製
2003年3月刊行
定価 3,800円+税

 

この20年間における社会福祉供給体制に生じた変化の要因を資源配分の観点から検討し、社会ニーズと社会的機構の持つ機能の関係、資源配分における割当の概念の意義を追求した力作。

 

   
     

 

 
【受賞】
第1回日本社会福祉学会学会賞(学術賞)を受賞しました。
 
【受賞】
社会福祉に関する優れた学術文献を表彰する「第5回損保ジャパン記念財団賞」を受賞しました。
 
【書評】
『大原社会問題研究所雑誌』no.548(2004年7月)に書評が掲載されました(評者:大谷強氏 関西学院大学経済学部教授)。
   
 

自著を語る

 
坂田 周一
   
 わが国の社会福祉は、1980年代の半ばから2000年にかけて、基本的な思想とサービス提供の仕組みが改革されてきました。本書は、その変化の背景にある諸事情のうち、財源をはじめとする資源配分に着目して分析を進めたものです。書物の内容は、理論的に構成されたモデルを統計的方法で検証するという、やや専門的なものになりましたが、ここではそうしたことに立ち入るのではなく、問題関心の背景を述べておきたいと思います。
わが国の社会福祉は、第二次世界大戦直後から1960年代前半までにその基本的な構造が形成されました。その後、高度経済成長期を通じて生じた急激な社会変動の中での国民生活の変化や人口の高齢化を受けて、その規模が拡大してきました。しかし、その一方で、73年の第一次石油危機後の不況、持続する低成長経済により税収不足が明らかになり、75年に赤字国債を発行せざるを得なくなった国家財政の困難、これが一時的対策に止まらずに継続的となり、国債発行残高の累増を背景とする公的供給の限界が見えてきたのです。
1980年代には、財政難を受けて政府活動全般のスリム化と民間活用が国家の基本方針になりました。加えて、90年前後からソ連・東欧の社会主義諸国が市場経済導入へと方針変更して以後は、公的サービスの民営化や市場原理の導入があらゆる方面で取り上げられるようになり、社会福祉もその流れの中に巻き込まれました。つまり福祉サービスが多額の費用を要する方向に変化する一方で、その財政をいかに確保するかが大問題になったのです。このプロセスは、公的資金を必要なだけ確保するという方向ではなく、逆に確保できるようにするには、どのように制度を設計すればよいかという方向への改革として進みました。
1980年代の半ばから法律改正を伴う改革が続けられ、2000年には「社会福祉基礎構造改革法」が成立しています。この改革の背後には、福祉サービスの必要の高まりと財源の不足という矛盾がありましたから、よい方向での改革とばかりは言えない面があるはずです。政府や地方自治自体における資源配分の問題として、福祉ニーズと資源の対立の中で社会福祉に生じた変化の性質を明らかにする課題があったのです。つたない書物ではありますが、国民生活に密接にかかわる問題として受け止めていただきご批評くださればありがたいと思います。
 

 


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